第39話「事件」、第40話「狭い宇宙」、第41話「誤解の方程式」(五代の家出エピソード1)

原作では5話連続という壮大なストーリーです。TV版アニメでは2話に詰め込んでいます。
五代が一刻館を家出して、パチンコ大宇宙ホールの2階に引っ越すという、初期で一番の大作ですね。引っ越した先では、なぜかまだ住人が住んでいて、ソープ嬢の彩子とヤクザの男と一緒に住むことになります。1ヶ月後、五代は引越センターで荷物を運び込みますが、その時に響子は五代の引越し先を知ります。五代宛の小包を引越し先に届けに行くと、出てきたのはソープ嬢の彩子でした。
ブルーレイ:5枚目
TVシリーズ第30話「エッ響子さん結婚!? 五代くん涙の引越」
主な出演者:音無響子,五代裕作,三鷹瞬,彩子,四谷さん,一の瀬夫人,朱美さん
ストーリー(あらすじ)
三鷹と響子が結婚?
テニスサークルで主婦たちや一の瀬さんが、響子が三鷹にプロポーズOKと返事したことを聞いてしまいます。
五代が一刻館へ帰ると、一刻館の住人から、その話を聞いてしまいますが、「どっかで話がゆがんでるんでしょ」と最初は冷静な判断をします。
四谷「あら、知ってらしたの、はずかしいわ」
朱美「なんて言われたら返す言葉ある?」
一の瀬夫人は、響子に真偽をちゃんと確認しようと管理人室に行きますが、ちょうど三鷹から電話がかかってきます。
それを聞いた一の瀬さんは管理人室を出ていき、結婚が決まったのに報告してくれない響子の態度に対して「所詮は他人」とやけ酒を飲みます。(もっとも響子が結婚するんなら、三鷹が勝手に結婚式場を決めることは無い気がしますけど....。響子も他人事っぽい反応ですよね。) そこに五代が現れます。
一の瀬さん「聞けるもんか」
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踏切にて
響子が踏切で電車の通過を待っていると、五代と偶然出会います。そこで
響子「あら、知ってらしたの?」
その後、響子が色々説明するのですが電車の音で五代の耳には届きません。あっさり、一番聞きたくない言葉を返された五代は、踏切が開くと「さよなら」と言って走っていってしまいます。
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五代、一刻館から家出
一刻館へ帰ると五代はすぐに家出の準備をして出ていこうとします。すると、ちょうど帰ってきた響子に玄関でバッタリ会ってしまいます。
朱美「長いお出かけになるみたいよ。」
五代は「ありがとう」と一言残して出ていってしまいます。原作では「しあわせになってください」「一人になって自分を見つめ直したいんです」と言って出ていきます。
朱美のセリフはきっとレイモンド・チャンドラーの「長いお別れ」のパロディですね。このエピソードじゃないですが、「めぞん一刻考」にも「長いお別れ」の話が出てきますしね。
ところで原作ではこの前のエピソードは、「夏の思い出」(TVアニメ化なし)なのですが、こずえちゃんと親しくしていて、結婚したらどうなるか妄想しているシーンがあります。

五代の妄想とはいえ、結婚してなくて、竹箒でバンバン叩くなんて、響子らしいですね、笑
しかも、この前のページで五代は「別に不満はないけど...」と言っています。確かに、こずえちゃんと五代なら丁度釣り合うカップルですもんね。ちょうど、五代と響子の距離が開いていた時のエピソードなんですね。
こんな感じで、五代が一刻館から出ていく前フリがあります。
やっぱり誤解だった
響子と一刻館の人たちが管理人室で話をしてすぐに、響子と三鷹が結婚するのは誤解だということが分かりました。結婚するのは三鷹の妹でした。
凄いニアミスです。でも、五代は本気で出ていって、すぐに引越し先も決まりました。となりの西時計坂駅前のパチンコ屋「大宇宙ホール」の2階の部屋です。

大宇宙って、、『うる星やつら』のラムちゃんが家出して鬼星に帰ってしまったら、もう誰も連れ戻しに行くことは出来ません。『めぞん一刻』の五代の場合は、原作では5話連続の壮大なストーリーなのに、家出先は30分もあれば行けそうな近所の「大宇宙」なんですね、笑。
契約を済ませて、五代が部屋に行ってみると、なぜか女性が住んでいます。トルコ(ソープ)務めの女性で名前は彩子です。前の入居者だったのですが、引っ越しが延びてしまったらしいのです。
最初は女性と2人で暮らすのかと思っていた五代ですが、彩子はヤ○ザの男と2人で住んでいて、夜寝る直前になってヤ○ザの男が帰ってきました。
それにしても、五代は「一人で自分を見つめ直す」と大言壮語して出てきたのに、一人になれないどころか、一刻館を出てくると、さらにどんどん落ちぶれていく苦労人の五代...。凄い状況ですね、笑
五代が居なくなった5号室にて
五代が家出してから既に一ヶ月。一ヶ月って相当長いですね。壮大なストーリーです。前の住人が引っ越していかないので、相変わらずひどい目にあい続ける五代。
そんなとき、一刻館に五代宛の小包が届きます。五代は引越し先を知らせてもいません。しかし、五代は自分の荷物を引越し先に入れる決心をします。
引越しセンターが一刻館へ来て、五代の荷物を運び出します。その時、なんとか引越し先を聞いた響子。

この前から続いているのですが、とても良いシーンですね。言葉のすれ違いって良くあることですよね。特に響子のように言葉を曖昧にしてしまうタイプの場合は。どうしても感情が先に立ちますし、不安もあるから、本気であるほど言葉が伝わらないものですよね。
「人の話を聞こうとしないんだから」って、現実でも言葉のやり取りも間違いが多いものですが、とりわけ響子も含めた『めぞん一刻』の登場人物全員に当てはまりますね。『めぞん一刻』のストーリーって、かなりの割合で誤解とか早とちりで出来ていますが、このエピソードは原作のタイトル通り誤解が積み重なって展開していきます。
四谷さんが五代の誤解を解く
パチンコ大宇宙ホールで、五代と四谷さんがバッタリ出会い、喫茶店「とらうま」で三鷹と響子が結婚することがデマであったことを伝えました。
五代はニアミスの後、一ヶ月も誤解を続けていたんですね。せいぜい数分の差が一ヶ月の誤解を生み出すとは...。
四谷さんは、変わった人ですが案外いい所もあって、積極的に人助けもするんですよね。でも、それが却ってトラブルの原因になったりもするのですが...
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響子は五代宛の小包を届けに...
響子は、五代の引越し先に小包を届けに行きます。

すると、引越し先の部屋から出てきたのは例のトルコ嬢彩子...原作では「一人になって自分を見つめ直したいんです」とまで言って出ていったのに、響子は五代が女性と同棲するために家出したと誤解します。響子は見た瞬間に動揺して思いきり誤解します。五代よりも酷い誤解の仕方だし、誤解かもしれないと疑うことすらしません...。
ついさっき四谷さんが五代の一ヶ月の誤解を解いてくれたのに、あっという間にまたニアミスです。今度は響子がショッキングな誤解をしてしまい、さらにトラブルが大きくなっていくという...。

原作では、響子が帰った直後に五代が部屋に帰り、響子を追いかけて行きますが、あとちょっとの所で電車のドアが閉まってしまいます。
どんどん酷(ひど)くなっていく誤解と、徹底したニアミスの連続。そして、次回につづきます。ホント凄い密度濃いなぁ。