第116話「めまい」第117話「弱虫」

八神は四谷さんに家庭教師を依頼し、一刻館への出入りを続けます。 五代と響子は八神が四谷さんの部屋に入ることに不安を感じて、五代の部屋で家庭教師を受けさせることに同意します。 そこで響子と八神は完全にライバル関係に。 しかし、八神はクリスマスパーティの時に響子の本当の気持ちを知ることになります。
原作では八神いぶきが登場する最後のエピソードです。特に第117話「弱虫」のほうは八神いぶきの神回ですね。
ストーリー(あらすじ)
八神、成績トップ返り咲き
前回、響子の告げ口で最近の成績悪化の原因がばれてしまった八神ですが、なんと一週間で挽回してまた成績トップに返り咲きます。
それを響子に伝えに一刻館に向かいます。
八神は、響子に成績表をみせ、担任に告げ口したことについてイヤミを言います。しかし、一週間勉強をがんばりすぎて、八神はやつれています。
ちょうどそこへ五代が一刻館に帰ってきます。そこに寝不足で五代に倒れ込む八神。

八神は管理人室でしばらく休みますが、すぐに元気になり帰ることにします。すると心配した五代は駅まで送っていくことに。
八神「きゃー本当ですか」
五代「いいですよね」
響子「仕方ないんじゃないですか」
八神「いちいち断ることないでしょっ」
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響子と八神、対等なライバルに
八神が帰った後、しばらく考える響子。亡き惣一郎には恋敵(ライバル)なんていませんでした。そこで初めて響子は、高校生の八神を「ライバル」と見ていることに気づきます。


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四谷さんの家庭教師
四谷さんの家庭教師が再開されました。もちろん五代の部屋です。しかし、四谷さんは「自習です。わからない箇所は五代くんに聞くように」と言います。家庭教師で自習なんてあるんですかね、笑

しばらくして響子はお茶を持って五代の部屋に入ってきます。すると、八神もお茶とお菓子の準備をしていました(家庭教師を受けに来たのに、笑)。
それでも今日の響子は積極的です。お茶とケーキを五代に差し出します。すかさず八神も水筒でもってきたお茶とケーキを五代に差し出します。
八神は響子を追いつめます。
八神「絶対そうよっ、でなきゃなんでじゃまするの」
しかし、そこで何も言えなくなってしまう響子。


ふらふらと部屋を出ていってしまいます。五代は響子を追いかけます。
五代「え、いえ、そんな」
響子「高校生相手に…ムキになって、はりあっちゃって」
五代と響子はいい雰囲気になりかかりますが、一刻館のみなと八神が二階から見ていました。

この響子の「まだまだかな」というセリフは良くヒントとして話題になりますね。何が「まだまだ」なんでしょうか。
なんにせよ、まだこずえちゃんもいるし、八神もいるし、三鷹もいるし、響子の気持ちの整理という点でも「まだまだ」なんでしょうね。まだ10巻セットの第8巻なので、あと2巻以上ありますからね。
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茶々丸クリスマスパーティ
朝、五代は汚れたセーターで保育園に向かいます。それを見た響子はクリスマスプレゼントにセーターを渡すことにします。
クリスマスパーティへ行くとそこには八神もいました。しかも原作では堂々お酒を飲んでいるという、笑
その上五代は、保母さん達と飲むことになって、来れないかも知れないと伝えてきます。
と、ビールを飲もうとした八神を響子が止めます。アルコールが入っている八神は普段以上に響子に絡みます。
八神「好きじゃないふりして愛されようなんて、ムシのいい話だわ」(名セリフ)

八神「あたしに負けるのがこわいんでしょ」
八神「いくじなし、見栄っ張り、弱虫」
ビールを沢山飲んで酔ってきた響子

八神「失恋がこわくて恋愛できますか」
響子「恋に敗れるのがこわいんじゃない、このままじゃみんなウソになりそうで、こわい」(名セリフ)
響子の言ったことが全く理解できない八神。
そろそろお開き、というところで五代がやってきます。すると、八神が五代に抱きつきます。結局、響子は五代にセーターを渡せませんでした。
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「弱虫!」
次の日、学校で八神は担任に集めたプリントを私に行きますが、五代の話になります。
担任「初耳ね。そうだったの」
担任「だからもし誰かを好きになったら、だんなさんへの思いはウソだったってことになる…」
八神「…嫌いだなそういう思い込み。要するに勇気がないんじゃない。」
八神はクリスマスパーティで言い過ぎたことを反省します。「気にしてたら後味悪いな、元気づけてやろうか」
八神は一刻館へ向かい、響子に向かって「弱虫!」と言って走り去ります。これ以後、原作では八神が出てくることはありませんでした。(一番最後の後日談には出てくるけど。)


意外と引き際が良かった八神
八神は、クリスマスパーティでとうとう響子の本音を引き出しました。響子もやっと自分の気持ちを人に言えたわけですね。
八神は強力なライバルだったのに、響子の気持ちを確認したあと、あっさり身を引くことにします。
この段階になってくると、五代と響子の関係ってかなり強くなっていますからね。特に金沢旅行のあとは、響子は五代についてかなり態度にはっきり出すようになってきます。八神も恋のライバルとみなしてますし、こころの中ではもう五代一色という感じ。もちろん、五代だって響子を一目惚れしてから、何年も響子一筋です。八神がいくらアタックしても手応えなし。もう、そんなところに入り込めないですよね。

結局、八神は執拗に響子に五代への気持ちを聞き出して、最後はその応援をするような感じになりました。もともと最初登場したときだって、若い頃の響子の幻影のようだったし、響子自身の人格の一つなんじゃないかとすら思えてしまいます。そして八神が五代を好きになったのは亡き惣一郎が絡んでいるし、一刻館へよく来るのだってそうですよね。響子は八神との対話の中で、素直でストレートだった昔の自分を思い出したんじゃないでしょうか。